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フランコ、アマラテンで念願の優勝を果たす!

第77回ブラックプールダンスフェスティバルが、英国ブラックプール“ウィンターガーデン”にて、2002年5月24日から31日にわたって開催されました。新チェアーマンにはピーター・マクセルが就任し、プロフェッショナルモダンでは、AUGUST0 SCHIAVO and LYN MARRINERが、競技中に起こったアクシデントを克服して新チャンピオンになりました。

ブラックプールの天候は、不安定なことで有名。
ウィンターガーデンから雨に煙るタワーを臨む。
激しい夕立のあとの虹
ブラックプールの郵便は、乳母車のような
カートで配られる。
晴れた午後には、パフォーマーが路上を占拠。
ブラックプールの中心、チャーチストリート。

■5月24日(金)

●プロライジングラテンSFにJapanゼロ!
なんと準決勝以上に日本人カップルはゼロという結果に会場でも驚きの声が上がりました。全体として、ロシアまたは米国籍の旧ソビエト連邦の国々の出身者が、高い成績を納めていることがわかりました。

ブラックプールダンスフェスティバルの競技会の詳細な結果については、以下のサイトをご覧ください。
http://www.blackpooldancefestival.net/

プロライジングスターラテンの結果から。計259組が出場。
1.Andrei Gavriline & Elena Kryuchkova(USA)228
2.Delyan Terziev & Boriana Deltcheva(USA)110
3.Alessandro Garofolo & Annamaria Bassano(Italy)86
4.Ilia Danilov & Tatiana Rybalko(Russia)20
5.Igor Mikhalkov & Daria Reznikova(Russia)241
6.Dmitri Tchernishev & Elena Pashkova(Russia)59

第5次予選(24カップル)に残った日本人カップル
・大村&和田組
・中村&青柳組
・西嶋&向高組
・大塚&安斎組

●シニアモダンチャンピオンシップ
優勝は、ディフェンディングチャンピオンのミルウォード夫妻でした。テクニック、スタミナ、表現力のどれをとっても、チャンピオンの名にふさわしい踊りでした。
1.Kevin Millward & Christine Millward(UK)2
2.Domizio Giovannini & Annisa Baldo(Italy)158
3.Luigi Bodini & Antonella Benedetti(Italy)120

■5月25日(土)

●ダビデ&オルガ、引退と同時に結婚!
Davide Cacciari & Olga Garchina組が、今晩のチームマッチで引退を発表しました。昨年、6年目のチャレンジではじめてブラックプールのファイナルに進出し、今年も2種目以上はファイナルか? と期待されていましたが、意外にも引退、そして、同時に結婚することを宣言しました。
恒例のチームマッチは、英国、米国、ロシア、イタリアで争われました。日本、ドイツが入っていないのが、現在のダンスの勢力図を反映しているといってもいいかもしれません。

■5月27日(月)

午前中からアマラテン第1クオリファイ(予選の前の選抜)、夜はプロライジングスターモダン、シニアラテンがありました。

●シニアラテン
1.Petr Bartunek & Eva Bartunkova(Czeck)
2.Miquel Alonso & Eva Angues(Spain)
3.Jari Huusko & Mirjami Hartikainen(Finland)

●プロライジングスターモダン
1.Jonathan Crossley & Kylie Jones(England)
2.Roberto Villa & Morena Colagreco(Italy)
3.Seiji Tanido & Emy Hayano(Japan)
4.Luca Tonello & Ekaterina Baroulina(Russia)
5.Igor Litvinov & Julia Ivleva(USA)
6.Roberto Regnoli & Tania Berto(Italy)

プロライジングスターモダン準決勝には白石組、石原正三・渋谷透子組が入っていました。

4位のトネーロは、予選では黒のシャツに黒の蝶ネクタイ。誰かがやるだろうと思われながらかつて見たことがないファッションでしたが、とてもスマートでした。

ロベルト&モリーナは、とくにワルツ、スローでは、シルキーなムーブメントを存分に見せつけました。タンゴは、一転して歯切れのいい動きで、1位を獲得。
全体として、1位のジョナサンに比べると、カップルのコミュニケーションがもうひとつのように見えました。

優勝したジョナサン&カイリーは、ワルツ、スローフォックストロットをほとんどすべてベイシックで踊りました。もっとも特色が強かったのはタンゴであり、従来のスタッカートな切れのよい踊りから、回転の多い構成に変えていました。そのためにタンゴのみ2位になったようです。

■5月28日(火)

●アマラテン第2クオリファイ
第2クオリファイ(330組を第1、第2クオリファイにより第1次予選に出場する152組にまで絞り込みます)には、赤羽組、夏見組、Alexander Alexandrov & Yukiko Haraguchi組、そしてKatsutoshi Ninagawa & Kerry Simmons(イングランド)が出場しました。このうち、夕方の第1次予選には、Alexandrov & Haraguchi組のみが進出しました。

アマラテン第2クオリファイ

なにしろ、第1次予選までに180組が落とされてしまうのですから、第1次予選のどのヒートを見ても、すばらしい選手ばかりです。

アマラテン第1次予選

●フランコ、念願の優勝を果たす!
アマラテンの決勝進出者と順位は以下のとおりです。
1.Franco Formica & Oksana Nikiforova(Germany)
2.Dmitri Timokhin & Anna Bezikova(Russia)
3.Klaus Kongsdal & Viktoria Franova(denmark)
4.Riccardo Cocchi & Joanne Wilkinson(Italy)
5.Eugene Katsevman & Maria Manusova(USA)
6.Peter Stokkebroe & Kristina Juel(Denmark)

フランコは、絶好調には見えず、得意のルンバの開脚も何回も失敗し、やはりプレッシャーがあったのでしょうか。ユージーンは、予選から少しも変わらぬ元気さが目立ちました。パートナーの髪の孔雀のとさかのような飾りが目立ったティモキンは、結局僅差で2位。フランコが、逃げきって優勝の栄冠を手にしました。

それにしても、1Q、2Q、1〜4次予選、SF、そしてファイナルまで、すべてを見ている観客は、ほとんどいないと思います。
ひとつの競技を通して見るだけでも疲れ果ててしまうのに、踊る方は、もちろんその何倍も疲れます。日本の競技会では、予選はほぼ1分40秒までですが、ブラックプールのバンドの演奏は、長さもまちまちで、短くても2分以上、長いときは3分もの間、選手は全力を尽くさなくてはなりません。決勝を踊り終えた選手に拍手が鳴り止まないのも、観客もまたブラックプールの厳しさをよく知っているからでしょう。

●Unser21モダン
1.Luca Leoni & Francesca Ceccarini(Italy)
2.Misa Cigoj & Anastassia Novojilova(Slovenia)
3.Ruediger Homm & Julia Belch(Germany)
決勝は8組で争われました。2位のCigojはUnder21ラテンの準決勝にも残ったスーパー10ダンサー。決勝のクイックでも、最初から最後まで(そんなに楽なはずはないのですが)、観客へのアピールを絶やしませんでした。

■5月29日(水)

●アマモダン第1クオリファイ
日本の選手は、和智組、吉川組、長谷川敬太・所組、菅谷組が出場していました。渡辺組は、昨年48組なので、第2クオリファイからのシード出場です。

アマチュアモダン第1クオリファイ
199 Joerg Palm & Sandra Baehr(Germany)

●ブライアン、接戦を制す!
プロラテン(24カップルより単科審査)決勝進出者と順位は以下のとおりです。
1.Bryan Watson & Carmen(Germany)
2.Paul Killick & Hanna Karttunen(England)
3.Slavik Kryklyvy & Karina Smirnoff(USA)
4.Michael Wentink & Beata(South Africa)
5.Matthew Cutler & Nicole Cutler(England)
6.Andrej Skufca & Katarina Venturini(Slovenia)
7.Louis Van Amstel & Joanna Leunis(USA)
8.Markus Homm & Charlotte Egstrand(Germany)

日本のカップルは、48組に、山本組、布川組、峯岸組、大村組が残りました。24組から単科ですが、C,Sa,R,Pに山本組、Jに峯岸組が進出しました。

準決勝までで注目された選手は、176 Vlad Pavlov & Svetlana Polianina(Russia)です。並外れた筋力による技を連発し、とくにルンバには拍手が集中していました。

アマチュアチャンピオンからターンプロしたスクフカは、当然シードなしで1〜5ラウンドの予選21曲(5RからJ)、SF5曲、F3種目3曲の計29曲を踊ったわけです。アマ時代よりも一段と引き締まったボディで、決勝も決してバテることなく踊りきりました。

218 Markus Homm & Charlotte Egstrandは、5種目ともSF進出。
決勝はJのみでしたが、十分にアピールしました。ベイシックなステップながら、シャルロッテの弾けるようなボディと表現力に会場のドイツコーナーを中心に大きな歓声が上がりました。

Louis Van Amstel & Joanna Leunisは、同じく5種目ともSF進出。
決勝は、C、Rの2種目を踊りました。ルイのパソのステップは、フロアの1/3程度の長さを斜めにすごい速度で走っていき、片ひざを立ててフィニッシュといった独特なものでした。Sa、Jもかなり独創性の強い振り付けです。

マシュー&ニコル・カトラーは、力強さを増した踊りでした。
もともと小さいニコルの顔が、さらに細く引き締まり、この大会に向けてかなりの厳しい練習を積んできたに違いありません。

決勝は、ブライアンがC,Sa,Jを制し、ポールがR,Pで1位になり、1種目の差でブライアン&カルメンが優勝しました。

■5月30日(木)

●アマモダン予選
和智組、渡辺組、菅谷組のアマモダン第2次予選は、すばらしい演技でした。残念ながら、3組とも3次予選には進めませんでしたが、288組のうちの96組に入って、他と遜色のない演技をしているのですから、すばらしい結果だったと思います。

アマチュアモダン第2クオリファイユニークなデザインのドレスも多い。

アマモダン決勝は、盛り上がりに欠けていました。毎年のように、決勝のクイックステップを踊ったあとは、惜しみない拍手とスタンディングオベーションで終わるのですが、今年はそのような雰囲気ではありませんでした。英国サイドのほんの一部の観客が立ち上がったのみで、すぐに会場が静かになってしまいました。

端的に言ってしまうと、レベルが高くなっているアマモダンを見つめている各国の指導者や選手たち、ファンが納得するような決勝のメンバーではなかったということです。観客は、もっとずっとすばらしい戦いを見ることができたはずだ、と無言の抗議を行ったように思えました。

以下が決勝のメンバーと順位です。
1.Mirco Gozzoli & Alessia Betti(Italy)
2.Domenico Soale & Gioia Cerasoli(Italy)
3.Brian Eriksen & Marianne Eihilt(Denmark)
4.Arunas Bizokas & Edita Daniute(Lithuania)
5.Craig Draper & Irina Chuprakova(England)
6.Warren Boyce & Kristi Boyce(England)

●ソアレ、ゴッツォーリに肉薄!
前評判では、ゴッツォーリが優勝という線は堅いと思われていました。しかし、'97年のUnder21モダンチャンピオン、ソアレがとんでもなく上達していました。
決勝では、ゴッツォーリがワルツ、SF1位、その他が2位。
ソアレがタンゴ、クイックで1位、その他が2位。つまり順位点では同点だったわけです。

注目選手は、19番、ドイツのSascha Karabey & Natacha Karabey。
ダイナミックかつこなれたムーブメントの大型カップルです。
そして、175番、イタリアのStefano Soldati & Annalisa Longo。このあたりが決勝で踊ってほしかったです。

■5月31日(金)

●天野組、フィルモ欠場
昨年のプロモダン決勝と比べてみると、ファイナルはルッカ、カチアリ、ファビオ引退のために、かなりのポジションが空いたことになります。このほか、準決勝クラスでは、スコット・ドレイパー引退、フィルモが先月の交通事故のために欠場ということで、他の選手にはチャンスが生まれました。

日本のカップルは、48組に遠田組、石原・渋谷組、谷堂組、檜山組、白石組、鈴木組、柳橋組が残りました。檜山、柳橋、谷堂組は24組(5次予選:単科)にもすべての種目に進出。そして、檜山組が昨年より1ポジション多く、W、SF、Qの3種目で準決勝へ。

●スキアーボ、アクシデントを乗り越えて優勝!
2次予選で、スキアーボのパートナー、リン・マリナーが脚に負傷し、3次予選は無理ではないかと危ぶまれました。結局そのまま踊りつづけましたが、さすがに演技には精彩を欠きました。

4種目総合結果
1. AUGUST0 SCHIAVO and LYN MARRINER(Italy)
2. CHRISTOPHER HAWKINS and HAZEL NEWBERRY(England)
3. TIMOTHY HOWSON and JOANNE BOLTON(England)
4. MASSIMO GIORGIANNI and ALESSIA MANFREDINI-GIORGIANNI(Italy)
5. WILLIAM PINO and ALESSANDRA BUCCIARELLI(Italy)
6. JONATHAN WILKINS and KATUSHA DEMIDOVA(USA)
7. ALAN SHINGLER and DONNA SHINGLER(England)

決勝では、スキアーボが全力を出し切れなかったものの、貫禄でW、SF、Tを制し、Qはホーキンスが1位を獲得しました。

●Irven Tidswellがバンドマスターを引退
1981年から20年にわたってブラックプールの音楽を演奏してきたIrven Tidswellが、バンドマスターを退くことが発表され、長くスタンディングオベーションが続きました。来年は、バンドと音楽には変わりなく、バンドマスターのみが交代するということです。


●ランカシャーの方言


ブラックプールの書店で“Lancashire English”という小冊子を見つけました。たとえば、ロンドンのホテルの客室係の話すことはほぼわかります。また、早口のタクシードライバーが何を正確に話しているかはよくわかりませんが、だいたいの意味は通じます。
ところが、ブラックプールでは、たとえ相手がゆっくり話してくれた場合でも、発音や語彙にかなりの違いがあると感じていました。会話では、定冠詞はほとんど発音されないようであり、母音の発音がひどく引き伸ばされています。
タクシーで“Zoo”に行ってくれというと、“ズウウウウイにかい?”と聞き返され、最初は、からかわれているのかと思いました。
この小冊子の著者Fred Holcroftによると、ランカシャーにはケルト、ローマ、サクソン、ヴァイキング、ノルマンなどの言語の痕跡が残されているということです。
例を挙げると、“has”は[az]と、“been”は[bin]と発音されるようです。“he”は[ee]、“heard”は[eeard]というように“h”の発音があいまいになりますが、フランス語のように“h”を発音しないというわけでもありません。“a”の発音は、非常にあいまいになります。とくに“zoo”のように“oo”と並ぶ場合は、母音を限りなく引き伸ばしてもよい、とされています。その他、語尾のエル、“g”が、省かれることが多いようです。以上のような少々の発音の差だけでなく、単語の意味の差、まったく異なる語彙なども多く、言語の難しさを思い知らされます。

 

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